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2026.07.04

「高校野球を支えた歩み」―育成功労賞受賞者 篠塚 茂則 先生 インタビュー―

長年にわたり、高校野球の発展と後進の育成に尽力された方々に贈られる「育成功労賞」。

 

部員一人ひとりと向き合い、日々の指導に心を注ぎ、野球を通じて人を育てる——。
その積み重ねが、長野県の多くの球児たちの成長と野球文化を支えてきました。

 

今回、栄えある賞を受賞された篠塚茂則先生に、これまでの指導者としての歩みや、大切にしてきた思い、そして未来の高校野球に対するメッセージを頂戴しました。

 

 

【 育成功労賞表彰の様子 】

 

 

 

 

 

【 篠塚 茂則 先生 インタビュー 】

 

1.高校野球の指導に携わるようになったきっかけを教えてください。

 

小中高大と野球経験者でもあった自分が、教員として採用された初任校で野球部の顧問(監督)として任命されたことがきっかけです。それ以来、赴任先のうち4校で27年間の監督生活を送りました。途中3年間の教育事務所勤務はありましたが、監督以外の在職期間も高野連の役員・野球部顧問などで定年までずっと高校野球に関わらせていただきました。

 

 

2.これまでの指導の中で、特に心に残っている出来事を教えてください。

 

なかなか一つには絞れません。それでも、けがや故障でプレーできない選手・メンバー外となってベンチ入りを果たせなかった選手たちそれぞれが、複雑な気持ちを持ちながらも最後の夏までチームメイトと前向きに活動する姿には毎年、心が熱くなる想いを持っていました。

 

 

3.選手と向き合う上で、大切にされてきたことは何ですか。

 

練習・試合の場面では「直後に起きること」に対して「予測・準備・確認」ができるチームを目指し、結果論だけで評価・指導することは極力避けるようにしました。
チームが「チャレンジし、プレーを楽しむ集団」になってほしかったので、試合中に自分たちから仕掛けて機動力や大胆な守備を行うスタイルを選手と作りました。すると、当該選手だけでなくチーム全員や観衆までもがワクワク・ドキドキします。変則的で常道から外れすぎだとご批判もいただきましたが、選手たちには試合の風景が変わり、見えていなかったことに気づくようになります。

 

 

4.高校野球の指導を通して、選手たちから教えられたことはありますか。

 

自分自身が勉強し続けることです。それは主体的に相手の分析やルール勉強などを行う習慣がつくからです。高校生は心身ともにびっくりするくらい成長します。監督も成長しようと自分自身に言い聞かせ、読書はもちろん県内外の指導者や勉強会に頻繁に足を運びました。(今は、本以外にもネットやSNSでも求める情報はあふれていますが)そんな時期を経て、「教える」から「一緒に試す・つくる」練習に方向転換できました。

 

 

5.これからの高校球児、そして長野県高校野球に期待することを教えてください。

 

かけがえのない高校生活の中で、野球部員として活動している皆さんは毎日が充実していますか。今日、そして今は幸せですか。失敗や上手くいかなかった後には成功がやってきます。その成功は何ものにも代えがたい自己肯定感を与えてくれます。そんな繰り返しが凝縮しているのが「野球」です。1年後、2年後の自分を作るのは「今日・今」です。周りと助け合いながら、身体も心も故障がない一日の終わりを積み重ねてほしいものです。
「リーガ・アグレシーバ」「ボトムアップ理論」「ノーサイン野球」… 新しい風が高校野球の中で吹き始めて何年にもなります。プレーヤーズファーストの思考に基づくこれらの実践校の指導者達はベテランも若手も垣根なく交流する姿があります。私は高校野球現場から離れてしまいましたが、応援したい気持ちでいっぱいです。すべてのチームが交流を大切にし、選手・指導者・保護者も応援者も相手に拍手を送る姿が広がってほしいものです。

 

 

【 篠塚茂則先生と久保村智会長 】