2025.09.16
第107回全国高等学校野球選手権長野大会を制し、見事38度目の甲子園への切符を手にし、長野県代表として全国の代表校との戦いに挑んだ松商学園高校硬式野球部。
甲子園での選手権大会を振り返っていただきながら、長野県大会の優勝を決めた瞬間の思い、甲子園での試合を通じて感じたことについて、主将と監督にお話を伺いました。
【 小林 伸伍 主将へのインタビュー 】
1.長野県大会の優勝、そして甲子園出場を決めた瞬間のお気持ちを聞かせてください。
プレッシャーや今までにない重圧に押し負けずにここまでやってきて良かったと思える瞬間でした。
2.チームとして特に大切にしてきたことは何ですか?
応援されるチームになることです。チームで大切にしている全力疾走や私生活の姿、行動など、心から応援したいと思えるチーム作りをしました。
3.主将として特に意識してきたことを教えてください。
常に周りを見て、チームメイトとコミュニケーションを取ったことです。私は人に頼ることが苦手なので、それを克服する意味でもやっていました。
4.甲子園で実際に戦ってみて、感じたことや印象に残っていることを教えてください。
幼い頃から現地やテレビで見てきた場所に立てて本当にうれしかったです。実際にグラウンドに立つと聞こえる観客の声や応援がすごくてびっくりしました。応援が力になり、自分が持っている力以上のものが出せました。
【 小林 伸伍 主将:長野県大会優勝時 インタビューの様子 】
【 松宗 勝 監督へのインタビュー 】
1.長野県大会での優勝が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
ゲームセットの瞬間は「嬉しい」という感情よりも「脱力感」が先にきました。その後、小林部長と横内記録員と抱き合ってから感情が一気に溢れ、今までのことが頭の中に浮かんできました。
2.今回のチームの一番の強み、そして成長を感じた点はどんなところでしょうか?
個々の能力は決して高くはありませんでしたが、それぞれが役割を理解し、全員の心を一つにして、チーム力で戦えたことが一番の強みでした。春の中信大会で敗退してから勝負の夏に向けて、緊張感のある練習や練習試合を通して考え方もプレーの質も日々成長する姿を肌で感じました。これだけ急激に成長したチームは初めてです。一番の成長は接戦を経験したことによりどんな場面でも動じることのない「心」だと思います。
3.甲子園という大舞台に向けて、どのような準備をして臨まれましたか?
戦う気持ちを作ることと甲子園でのメンバー再選考を目的に優勝翌日紅白戦を実施しました。そして、日々の練習では「スピード感」をキーワードに、走攻守の「スピード」行動の「スピード」考える「スピード」等を意識して練習に取り組み準備をしました。普段の練習から甲子園の特徴を意識した練習は積み重ねてきましたが、今夏は試合前シートノックが5分になったこともあり、特にスピード感を意識しました。大阪入りしてからは、練習時間・場所が限られており、試合日まで日程が空くということで専門学校の施設をお借りしてトレーニングを実施するなど、コンディションを維持・向上させることを第一に考え準備をしました。割り当て練習では基本的なチーム練習に加えて各自のコンディションに合わせた個人練習を取り入れました。
4.今回の甲子園での試合や選手権大会中のご経験を振り返って、印象に残ったことをお聞かせください。
33,000人のお客さんに見守られながら試合ができたことが一番印象に残っていますし、幸せな時間でした。私自身が経験した甲子園の試合の中で一番多い観客数でした。さらにエースの加藤が打席に立ったときにハッピーバースデーをアルプススタンドから歌ってくれたのですが、それが球場全体に広がり全員が拍手で祝ってくれました。「甲子園には魔物がいる」とよく言われますが、お客さんの歓声や雰囲気によって、流れが大きく変わるということを肌で感じました。甲子園はプレーヤーとしてだけでなく、人としても大きく成長させてくれる場所であることを再認識し、心が豊かになる場所であると思いました。
【 松宗 勝 監督:長野県大会優勝時 インタビューの様子 】
【 長野県大会決勝戦 松商学園高等学校のホワイトボード 】