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2026.09.26

一球の記憶を未来へつなぐ――若手記録員インタビュー

投球、打球、走塁、得点――。試合中に起こる一つひとつのプレーを正確に記録し、大会の歴史としてチームと個人の記録を残している記録員。集中力と正確さが求められる、試合運営に欠かせない大切な存在です。

今回は、県内で活動する若手記録員に、活動を始めたきっかけや仕事の奥深さ、記録席から見える高校野球の魅力について伺いました。

高校野球を記録員の立場から支える、前田佑紀さん。
記録員・前田 佑紀 さんインタビュー
QUESTION 01

記録員を志したきっかけを教えてください。

野球部のマネージャー引退後、当時監督であった久保村先生(現長野県高野連会長)に公式記録員をやってみないかというお話をいただいたのがきっかけでした。当時、部活中心の学校生活を送っていた私にとって、野球部のマネージャー引退後は想像以上に燃え尽き症候群になってしまい、日々気力なく過ごしていました。もう野球に深く携われないことがなによりも悲しいと感じていたときに、久保村先生からこのお話をいただき、一気に自分の扉が開いたような気持ちでした。

QUESTION 02

試合中は、どのような点に注意してプレーを見ていますか。

スコアに記入しているときや電子スコアに入力している際にプレーを見落とすことがないよう注意しています。ピッチャーの投球動作が早くテンポ良く投球しているときや、乱打戦になり記入内容が多い中で試合がどんどん進んでいくときなどは特に気をつけています。また、常に冷静に試合を観ながら一つのプレーに注視しすぎないようグラウンド全体を見ることも意識しています。ヒットとエラーの判定をする際は、走者の足の速さや捕球者の守備に入った位置・体勢はどうだったかなど色々な要素を見て判断するようにしています。

このように気を付けている点はありますが、自分自身まだまだ未熟な部分が多いためより精進していきたいです。

QUESTION 03
記録席にいるからこそ気づける、選手やチームの姿はありますか。

記録席はキャッチャーの斜め後ろ辺りから試合を観ることが多いため、ピッチャーの球威がより身近に感じられるのが面白いところです。また、スタンド(応援席)やベンチ内の様子もよく見えます。夏の大会は特にそうですが、どんな試合展開になってもスタンド・ベンチ・グラウンドが一体となって最後まで諦めずに戦う姿に胸を打たれます。限られた時間の中で全力を尽くす高校野球だからこそ、その一瞬一瞬が特別なものだと感じています。さらに、球場では補助員として試合運営を支えてくれている選手やマネージャーとすれ違う機会も多くあります。元気に挨拶をしてくださることが多く、その挨拶に私自身いつも元気をもらっています。

QUESTION 04
記録員に、どのような魅力ややりがいを感じますか。

アマチュア野球が好き、その中でも高校野球が一番好き、高校野球に携わりたい。その一心で記録員をやっています。そのため、球場に行って必然的に多くの試合を特等席で観られることが一番の魅力だと感じていますし、幸せなことだと感じています。また、以前やりがいを一番強く感じた瞬間が明確にありました。私はいつも紙のスコアを書く上で”誰が見ても見やすいスコアを書く”ということを意識していますが、一昨年の夏の大会準決勝でスコアを書かせていただいた際、そのスコアを見た役員の先生方から、私のスコアが見やすくて感動したと声をかけていただいたことがありました。私がいつも意識してやっていたことが伝わったことが嬉しく、そしてなるべく綺麗な状態で試合の記録を残すことができていることを実感でき、改めてやりがいを感じました。

QUESTION 05
記録員の活動に関心を持つ若い世代へ、メッセージをお願いします。

高校野球に携われる道の一つに公式記録員があります。マネージャーや指導者、保護者の方のように直接的にグラウンドに立つ選手を支えることはできませんが、試合を”記録する”という形で支え、高校野球の歴史を残していくことができます。かつての私のように、高校野球が好きで何かの形で携わりたいと思っている方、高校野球が好きな方にぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです。

試合の進行を見つめながら、正確な記録を積み重ねる。
久保村会長と前田さん。インタビューを終えて。